長時間労働をなくすことができるのは経営者次第
更新日:2021年8月10日

■終業時間が過ぎても仕事を続けることが美徳という考え
日本人は勤勉な国民性ということもあって、
終業時間が来てもすぐに帰らないばかりか、
残業してでも仕事をすることが会社に貢献することにつながり、
上司からの評価も上がるといった考え方が
まだまだ根強く残っています。
多くの会社はサービス残業や、
長時間労働の問題が後を絶ちません。
その結果、体を壊したり、果てはストレスで
精神的に追い込まれたりして、
仕事ができなくなってしまう人も少なくないのが現状です。
こうなっては、長時間労働はむしろ会社にとって
デメリット以外の何物でもありません。
そこでまずは誰よりも経営者が、
率先して意識を変える必要があります。
経営者が意識を変えることによって、
社員としては終業時間がきたら帰っていいのだと
意識を変えることができ、安心して退社できるでしょう。
早く帰れれば、疲れを取ったり、
リフレッシュしたりする時間も取れますので、
翌日の仕事をよりよいコンディションで臨めるようになります。
経営者としては、すべての社員が万全な体調で、
精神的な負担を抱えることなく仕事をしてくれる方が
どれだけ会社にとってメリットが大きいかを、
今こそ考えるべき時に来ているといえるでしょう。
■経営者マインドを組織に向けて公言することが大事
残業している社員や、長時間会社に残って
企画書などを作成している社員をねぎらうことは、
経営者にとって社員を気遣っていることを
伝えるのに必要なことですが、
それよりもまず残業や、長時間にわたって
会社に残って仕事をする必要はないと
経営者が考えているということを、
組織の考えとして社員全員に公言することが一番重要な要素です。
残業ありきで仕事をしている社員がいるのであれば、
会社のトップから、その仕事の仕方を
見直してもらいたいと伝え、
さらには部下を持つ上司に対しては
部下の仕事ぶりに目を配り、
就業時間がきたら全員に仕事を終えるように指示するよう、
徹底させるくらいの変革を行う必要があります。
■経営者が長時間労働は認めないという強い姿勢を打ち出すことが大事
経営者から社員に向けてのトップダウン指示で
もっとも重要なのは、
長時間労働は認めないという強い姿勢を示すことです。
そうなると、これまで残業時間ありきで
仕事をこなすことができていた社員は、
必然的に時間が足りなくなります。
残業ができない状況にすることで、
残業ありきの仕事をしてきた社員に対して、
仕事のやり方そのものを見直させ、
自分なりに効率化をはからせることが可能です。
さらに、長時間労働は仕事の効率を逆に低下させることから、
メリットがないと考えていることも公言しておくべきでしょう。
残業と長時間労働を行った部署に対しては、
今後評価を下げることにするというくらいの
取り組みを行わなければ、
日本人の真面目さが邪魔をしてなかなか改革は進まないでしょう。
残業をすれば、同じ職場の人に
迷惑がかかるという状況にすることや、
残業せずに帰ることを経営者が望んでいることを
徹底的に知らせることにより、
長時間労働によって社員を疲弊させることなく、
むしろ仕事の効率アップが実現できる可能性が高くなるといえます。